歌舞伎の演目を深〜く知ってみよう







荒 事
(あらごと)















荒 事
(あらごと)
 荒事江戸で発生した演目である。元禄時代金平浄瑠璃(きんぴらじょうるり)【坂田金時の架空の息子金平(いわゆる金太郎さんのこと)の話】を初代市川団十郎が歌舞伎に取り入れ、四天王幼立(してんのうおさなだち)で坂田金時を演じたのが始まりとされている。荒事若さエネルギー怒り物神的呪術的荒々しく表現している。荒々しさを際たたせるための手法として見得が頻繁に行われるのも特徴
荒事には奴系敵役・公卿悪系などがある。
奴系(やっこ) 主人公の位は高くない。誰か仕える身であるが、派手威勢の良い男の話。
舞踊系の奴(ぶようけいのやっこ)
主人忠実仕える身である元気者
色奴(いろやっこ)
伊達扮装をしているが、目立たぬところで心配をし、機敏状況判断をして主人危機救う者。
旗本奴(はたもとやっこ)
旗本武士派手扮装でのし歩き、時には喧嘩辻斬りなどの無法を働き市民に迷惑をかける者達。
町奴(まちやっこ)
旗本奴に対抗して出来、町人や浪人たちが集まり、町のガードマンとして活躍した。
敵役・公卿悪系(かたきやく・くげあく) 武士の闘争など、荒事を代表する話が多い。善人悪人苦しめられ、最後には善人立役超人的パワー悪人懲らしめる単純明快な話。
敵役(かたきやく)
悪人全般のことをいう。
公卿悪(くげあく)
公卿衣装を着た位の高い貴人の悪役敵役一種。すべての権力皇位までをも狙うような人物で、超人的おどろおどろしさを象徴的表現する。 
和 事
(わごと)
 上方歌舞伎とも言われる。荒事江戸で発展したと同じ時期京都で発展した演目やわらかな身のこなし、セリフのいい方なども女性的元禄時代上方歌舞伎の基本は御家騒動であった。主人公は大名の若殿家老義母などの御家乗っ取りの騒動に巻き込まれるが、忠信がこれを阻止し最後に正義勝つ。または、裕福町人の若旦那などが遊びにばかり夢中になり勘当され、諸国を放浪し、今はみすぼらしい町人となってしまったが、世間の目をはばかりながら昔なじんだ遊女尋ねるなどのストーリーが多く、やつし(落ちぶれてみすぼらしい様子)の演技と遊女との濡れ場が見どころ。和事の主人公は容姿こそみすぼらしいが、容貌や、動作には自然の気品が備わっていて穏やかな言葉遣いに身分の低い人たちの使う世話言葉が混じっていてもそれは仮の姿であるという二重性表現、また、色恋沙汰妖艶な演出も欠かせない見どころでもある。



時代物
(じだいもの)
 江戸時代を含まない安土桃山時代以前の豊臣秀吉の天下統一までを題材にした通俗日本史伝説伝承などさまざまな事件題材に扱って構成される。公卿武家の社会題材にするが世話物の場面も含まれることが多い。時代物には我が子、あるいは親類などを主人守るために身代わりに差し出す、あるいは殺してしまうものが多いが、主人に対する忠信を再現しているのではなく、封建社会下で最高道徳実践するために身代わりという非人間的な行為を取らざるを得なかった人々の慈哀強く浮き出すための手法である。江戸時代庶民武士道に対する考え方がよく表れている。 
世話物
(せわもの)
 たとえば、日常生活の中でやってみたいけど実際はやれそうもないことを変わりにやってくれるクラスアイドルや、身近主人公達事件キッカケにして生まれ変わったように大胆行動をしたり、悪の道に走って小気味の良いセリフをはいたりするのを自分の身置き換え楽しむ。時には盗賊弱いもの見方義賊として描かれることもあり、当時現代劇だった。






所作事

(しょさごと)
















所作事
(しょさごと)
 所作事ははじめやつし事として職業の意味での所作から職人の動きを舞踊に写したものだった。その後歌舞伎舞踊一般の総称となった。享保から宝暦女形の芸として洗練され、安永から天明立役踊るようになり、文化文政時代にいくつもの役柄を続けて踊る変化物が流行した。飲む、読む、書く、着る、縫う、化粧する、走る、歩く、怒る、泣く、笑う、悔やむなどのさまざまな動作表現する。
 演目によっては舞台に所作舞台敷き出語り 清元、常磐津などが舞台の上手(清元が多く座る。三挺四枚)と下手(常磐津が多く座る。三挺四枚で、下手側から三味線、太夫の順で並ぶ。)の山台(細長い台)に乗り演奏する出囃子 長唄、鳴り物の人達などが舞台正面奥に緋毛氈(ひもうせん)を敷いた雛壇(段のある台に上手側に三味線方、下手側に唄方が並び、中央に立唄、立三味線の二人が並びそれぞれ唄と三味線をリードし、演奏の主要部分や聞かせどころを受け持つ)に乗り演奏するとなっているものもある。
歌舞伎舞踊
一曲の構成が決まっており、起承転結がある。
【  】 オキ(舞台にはまだ誰も出ずに歌を聞かせる) (人物の登場紹介
【  】 立役の場合 語り戦の物語を踊る) 女形の場合 クドキ(女が男への恋情嫉妬を振りに表現する)
【  】 踊り地(太鼓地とも言う)華やかな鳴り物入りの手踊、総踊
【  】 チラシ終局の場面。舞台上の見得で終わることもあるが花道引込の場合もある)
劇舞踊
テーマがあり、演劇性強い舞踊。
純舞踊
テーマのない風俗描写の舞踊。


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